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ネムリヒメ.
第15章 イチゴタルト.
とにかく、寝起きとは思えないほどドキドキしているわけで…
再び彼に名前を呼ばれ、アタシは返事をするように小さく頷くと、彼が髪をそっと撫でる
髪を梳く心地よい長い指も、鼻をくすぐる甘い匂いも温もりも、たった一日だけなのになんだかずっと会っていなかったような気がして
なぜだろう…
胸のなかがキュッと狭くなる
少しカラダを離してそっと見上げると、アタシを愛おしそうに見つめる彼の瞳と視線が絡んで
「渚…くん」
「ん…!?」
そう彼の名前を呼ぶけれど、窓から差し込んだ朝の白っぽい光を反射した黒髪とその表情があまりにも綺麗すぎて
何も言えないまま、ただ見つめ返すコトしかできないでいた
すると…
「千隼…」
今度は渚くんがアタシの名前を呼ぶ
渚くんは髪を撫でていた手を離しカラダを起こすと、アタシの頭の横に手を着いて上から真っ直ぐと見下ろした
「声、出すなよ」
「へっ!?」
目を丸くするアタシに柔らかく微笑む彼の顔が近付く
再び髪を撫でた手が頬を滑り、唇に到達する