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ネムリヒメ.
第15章 イチゴタルト.
「………っ!!」
アタシの名前を呼んだのは紛れもなく葵くんの声で、ビクリとカラダが強張る
葵くん、起きて…る!?
その声は渚くんにも聞こえたはずだった
なのに…
「ひゃ…んっ……!!」
彼は葵くんには目もくれず、なにも聞こえなかったかようにアタシの首筋に噛みつくようなキスを落とす
「んんっ…やっ、あ…」
葵くんの存在を認識しながら、唇を落とされるたびに怖いくらいにカラダが反応してしまう
堪えたいのに堪えきれずに漏れてしまう甘い声に、ふたりの狭間で淡い快感に揺さぶられ瞳に涙が滲んだ
渚くん、気づいてるよね…
絶対、気づいてるよね…!?
それでも渚くんは止まらなかった
しかし、すぐ隣でシーツの擦れる音にアタシの意識は葵くんに持っていかれる
「渚く…待っ…て…んんっ…」
ルームウェアのなかに手を滑り込ませる彼に反応しながら、葵くんが気になってうっすらと目を開ける
……が、
「よそ見してんなよ…」
渚くんがそれを許さない
「ひゃ…あ……っ」
首筋に舌を這わされ、目の前が白く濁る…
その時、
「ナギ…なにしてんの」
「…………!!」
明らかに不機嫌
そんな葵くんの声が今度ははっきりと部屋の空気を震わせた