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ネムリヒメ.
第15章 イチゴタルト.
「…はぁ……っ…」
唇を重ねたまま、渚くんは長い指先を頬から首筋へと滑らせベッドに散らばったアタシの髪を掻き上げる
熱を帯びた耳が冷たい空気に触れれば、それだけでピクリと小さく肩が揺れてしまう
そんなアタシの反応を見逃さない渚くんは、ククッと低く喉を鳴らすとわざとらしく耳に吐息を吹き掛けた
「っあ……!!」
ビクリと大きくカラダが跳ね、思わずあがる甘い悲鳴
するとそれを見兼ねた渚くんがニヤリと口角を上げてから耳元に唇を寄せる
「声…出すなよ…」
「んんっ…!!」
真っ白な頭のなかに響く低い声が、脳を痺れさせゾクゾクとした快感を全身に呼び起こす
うっすらと閉じていた目を開けば、視界の先には長い睫毛を伏せる葵くんの寝顔があって
視線を上に向ければ、妖美に微笑む渚くんが見下ろしている
「…葵のコト起こしたい?」
「や…あっ…!!」
そんなのムリだってわかってるくせに、渚くんは舌でクチュリと水音をたてながらアタシの耳を弄ぶ
吐息を漏らしながら瞳に涙を滲ませ、すっかり彼に絆されてしまったアタシのカラダはこんなにも熱くて…
そんなアタシに追い討ちをかけるように、渚くんが耳たぶに歯をたてた
「んっ…あぁ…!!」
「はぁ…いい顔……」
微かな痛みと突き抜けるような快感…
そして彼の吐息に大きくカラダが仰け反る
すると突然…
隣からキシリとベッドが軋む音がして
「ちーちゃん…」
シーツの擦れる音と、寝起きで少し低く掠れたもうひとりの彼の声がした