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ネムリヒメ.
第15章  イチゴタルト.



「…みっくん、交ざりたいの」

「んなわけねーだろ…」

「怖いねぇ、ちーちゃん」

「っせーな!!」


けして背の低くない葵くんを少しだけ上から見下ろす雅くん

背ぇ高い…顔小さっ…

は、八頭身ってまさにこのこと…

怖いけど密かに彼を見あげていると、彼はチラリと葵くんの腕のなかにいるアタシにへと目を向けた


「………!!」


ば、バレた…

相変わらず、彼がアタシに向ける視線は射るように鋭くて、ビクリとカラダが縮こまる

こんな近くでマジマジと雅くんを前にするのは、彼とぶつかったあの雨の日以来で

無論、会話すらまともにしたこともまだない

植え付けられてしまった苦手意識はそう簡単に取り除けない…のかな

その前に嫌われて…る…!?


そんなアタシに気づいたのか


「みっくん、ちーちゃんを威嚇しないでくださーい」


葵くんがアタシを庇うように抱き締め直す


「怯えてるでしょ、かわいそうに…よしよし」

「……………」


って、あ……やっぱり無視か……


…と思いきや、


「聖が食ってるの…そいつのじゃねーの」


え…!?


アタシを上から鋭く見下ろしたまま口を開いた雅くん

喋った!!

それだけでも驚いているのに、彼の予想だにしない言葉がアタシを驚愕させる


「ちーちゃんの!? って、みっくんなに?」


聖くん…食べてる…アタシの………


「……………!!」


葵くんは首を傾げたけれど、アタシのなかではすぐにそのワードはリンクするわけで…



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