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ネムリヒメ.
第15章  イチゴタルト.




「だって、あんな抱き方しちゃったし…」


あ…

聖くん、もしかしてずっと気にしてたのかな…

そういえば、聖くんに会うの…あれ以来だし、気がついたら眠ってて渚くんの部屋にいたし…

あんな抱き方…って言えばそうかもしれないけど

なぜか聖くんに対しての嫌悪感は…ない…


それは、

"楓くんの妹なんて…"

彼に言われた言葉のせいなのかな…


なんて色々と考えたけれど結局…


「……あ……うん……」


…と、しか言えなくて言葉に困っていると、聖くんが栗色の瞳を大きく揺らしながら顔をあげた


「オレ……」


円らな瞳がアタシを捉えて離さない

アタシも彼の瞳から目を反らすことができなかった



「反省してるからっ…」

「……………!!」


聖くんがあまりにも切なそうに瞳を揺らすからそのまま何も言えなくて…

すると聖くんがそっと手を引いて、アタシのコトを抱き締めた


「聖…くん………」


彼の名前を呼ぶ声だけがダイニングに響いて、少しの間アタシたちを静寂が包み込む




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