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ネムリヒメ.
第16章  散らばるカケラ.




『いつでも電話くれてよかったのに』

「あ、うん、でも…その、忙しいの邪魔、っしたくなくて…」

『なに緊張してんだって…可愛いな』

「っー…!!」


自分でなに話してるかわからないうえに、そんなコトを言われて一気に顔がゆでダコのように真っ赤になる


…って、そんな優しい楓の声は電話口からダダ漏れであって、バッと顔をあげるとそこにいる全員が絶句していた


「それ…ホントに楓くん…!?」

「デレッデレで気持ち悪っ」


葵くんたちが青ざめた顔でぽつりと呟く

そう、これがアタシの知ってる超絶スーパーミラクルイイオトコの愛しき楓なんだけど…

"そんな楓くん見たことない…"

以前、彼らに言われたコトを思い出す


鬼、悪魔、暴君…ってどこが!?って話

しかし…


『…つーか、そこでブツブツ言ってるヤツ誰!?』

「えっ、あ…」


楓のトーンの落ちた低い声に聖くんと葵くんの顔が思いきりひきつる


「「…ゴメンなさぃ」」

『あぁ゛…!?』


……………!!


ぇえっ!!

なっ…

なになに今の!!

声を揃えて平謝りする二人に、楓のドスのきいた声がする


「っ…あ、あの楓…」

『ん…どうした?』


しかし、アタシに向けられる声は同一人物とは思えないほど優しくて




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