この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater38.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第16章 散らばるカケラ.
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「って、立っちゃダメ。余計濡れちゃう」
「ぅえ、あっ!!」
「わっ、今座ったらオシリも濡れるから」
「ひゃっ!!」
見事に大混乱に陥るアタシ
『ちぃ、大丈夫か!?』
そんな楓の声が聞こえてくるけれど、今やそれどころではない
そしてオシリまで冷たくなって慌てふためいていると、渚くんがアタシの手から電話をとりあげた
「ちょっ…なぎ、んぐっ!!」
「悪いな、楓…千隼がグラスひっくり返して水浴びしてる」
なっ、なにそれ!!
か、楓ぇ!!
反論しようも、電話を取り返そうとも、それは口元を覆った渚くんの手によって制されてしまう
「んー…んー」
必死にジタバタして渚くんに手を伸ばす
…が、無論リーチの差が有りすぎで届かなかった
すると、
「ちーちゃん…」
「ふっ…んん!!」
アタシの脚をタオルで拭いてくれていた聖くんが急に耳元に顔を寄せた
鼓膜を揺らす彼の低めた声にピクリと肩が揺れる
「ちょっと黙ってよっか……じゃないと…」
え……!?
「濡れた服…今すぐここで脱がすよ!?」
「…………!!」
ひ…聖くん!?
顔を上げた彼の瞳には妖しい光が宿っていて、いつものフワフワしたおちゃらけた感じはない
「イイコだから言うこと聞いて!?」
「っ………」
渚くんの手に口を塞がれたまま、聖くんの妖しく光る眼差しにゾクリとして言葉が出なくなる
![](/image/skin/separater38.gif)
![](/image/skin/separater38.gif)