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ネムリヒメ.
第16章 散らばるカケラ.
ダメだ、頭のなか真っ白でどうしよう
完璧にパニックだ
『ん、どうしたんだ!?』
「あ、う、うん…それで」
ほ…ホントどうしよう
するとその時
カタン……!!
テーブルの上で何かが倒れるような音がした
「あ、悪い…」
それに続いて、そんな渚くんの声がする
慌ててテーブルの上を見ると、音をたてて倒れたのは細身のロングタンブラーだった
そこから流れ出たミネラルウォーターがあっという間にテーブルの上に広がって端までやってくると、水道の蛇口を捻ったようにダラダラとアタシの太ももを濡らしていく
「わ、あっ…!!」
『ちぃ!?』
アタシは声をあげ、楓の声を遠くに倒れたグラスの先を目線で追った
え……!?
アタシの視線は一点で止まる
………その手…
その指のカタチ…
わざ…と…!?
その視線を手繰るように顔あげれば、テーブルに腰でよりかかる渚くん
テーブルに伸びたままの彼の手が、
グラスの縁を押しましたと言わんばかりのカタチで止まったままの彼の長い指先が
そして目を細め、口角を上げた彼の表情がすべてを物語っていた
「ちーちゃん、拭かないと」
「えっ、わっ…冷た」
隣にいた聖くんの声に慌てて立ち上がる