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第3章 　無くしたモノ.

すると彼はふーん…とアタシの顔を意味ありげに眺めたあとニッコリと笑いかけてきた


葵くんのオンナ殺しスマイルに続いて
聖くんの無邪気な小悪魔のようなスマイルに一瞬やられそうになる


「ちーちゃんって顔に似合わず、イイカラダして……ゴフッ!!」


うわっ!?

ゴンッと鈍い音がして、突然頭を押さえてうずくまる聖くん

なにが起きたかというと、笑顔で話す聖くんの後頭部に食事を運んできた葵くんの肘がクリーンヒットしたのだ


「さぁ聖ぃ、ゴハンだょー」

「…っ!!」


涙目で睨む聖くんをよそに、葵くんができたばかりの食事をテーブルにおいていく


わ、わざと…


絶妙なタイミングに呆気に取られていると、アタシの目の前に美味しそうなハンバーグが置かれた

ホカホカと湯気がたち、おいしそうな匂いが食欲をそそる


「おいしそぅ」

「でしょでしょ‼ 冷めないうちに食べて」


隣でぶつぶつ文句を言っている聖くんがちょっと気になったけど、葵くんの言葉にアタシたちはいただきますをして食事を始めた