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ネムリヒメ.
第16章 散らばるカケラ.

あ…
あ……
葵…くん…!?
「……………!?」
ゴメン…よくわかんない
「はいはーい、すみません」
すると、聖くんが納得できません。といった表情で手をあげた
「それ、意味わっかんないんだけど。しかも葵くんが絡むのとか超面倒…」
「あのなぁ、面倒押し付けられたのはオレなんだけど」
え…!?
聖くんも面倒そうな顔をしているけど、渚くんはそれ以上の表情だった
「だいたいさぁ、なんで葵くんのオンナの子が渚くんに迫んなきゃなんないの?普段ならあり得ないでしょ」
「はぁ…聞けって。オレもあのオンナも犠牲者なんだよ」
「はあ…!?」
ぎ…犠牲って……
「葵の…身辺整理のな」
「……………!!」
犠牲とか身辺整理とかよくわからないけど、聖くんが真顔になって固まったのはよくわかった
「葵くんが!?」
「そ、葵が…」
それからふたりは互いの視線も交わさず、しばらく沈黙していた
もしもーし、アタシよくわかんないままなんですけど…
そしてようやく聖くんが口を開く
「じゃあもしかして彼女、葵くんに急に切られて渚くんに泣きついたところで、あわよくば渚くんに慰めてもらおうとしたってオチ!?
…とかだったらオレ笑うけど」
「…笑えよ」
えっ……!!
「あははっ、なにそれ♪渚くん、春の乗り換えキャンペーンでもしてたの」
「してねぇっつーの。…ったく、オレもナメられたもんだねぇ」
渚くんはタバコを手に取ると薄く笑う

