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ネムリヒメ.
第16章 散らばるカケラ.

ご、誤解…!?
乗り込む?
言い寄る?
それに迷惑って……!?
頭のなかがごちゃごちゃになった
彼らの言葉のやり取りに覚えるたくさんの違和感
しかし、聖くんは尚もアタシの唇をロックしたままで
ただ、一気に乱れた感情で混乱しだすアタシの様子をまるで楽しむように眺めていた
「んんっ…んー」
「あははっ、ちーちゃん」
あははって…
やっぱり悪魔っ!!
違う意味で涙が込み上げてくる
「泣かないでよ、ゴメンね。可愛いからついイジメちゃった♪」
「んー…!!」
聖くんの手がパッと離れる
唇、ジンジンする!!
「じゃあ、そろそろはっきりさせよっか♪渚くんは潔白らしいし」
涙目で睨むアタシを優しく撫でる聖くん
「っ…悪魔」
「ゴメンって、オレ好きな子はイジメちゃうタイプなんだよね」
ボソッと呟くアタシにヘラっと笑う彼
なんなのなんなの、ホントになんなの
今そんな台詞言ったって、混乱中のアタシにはなんの効果もないんですけど
天使の顔した悪魔め、悪魔め、悪魔め…!!
「それで結局のところさ…」
聖くんはアタシの反応に満足したのか妖しく笑って見せると、渚くんに結論を求めるように口を開いた
「あの子なんだったの?」
渚くんは潔白…
さっき聖くんがそう言ったけれど、胸の奥がツキンとしてしまう
すると渚くんはアタシと聖くんを見ると、大きく息を吐いた
「オンナだよ…」
「…………!!」
っ…………
「………葵のな」

