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ネムリヒメ.
第17章 極上スイーツ.

「は…あ……」
息を乱したアタシの前では渚くんが眉をよせて、聖くんは満足そうに笑っていた
「ったく、お前下手くそ」
「だってー、ちーちゃんの口小さくて」
「お前が奥まで入れすぎなんだっつーの」
渚くんはアタシの唇の端についたままの白い液体を長い指先で拭うと口に含む
「…つーか、甘ぇーし」
「早くしないとアイス溶けちゃうよー」
「そんなにたくさん頼むからだろ」
「違うよ、誰かさんが…」
「うるせぇな、邪魔しといて言ってんな」
「邪魔じゃないよねー、ちーちゃ…」
「ん…、自分で食べられる…」
そこで言い合いを始めるふたりをアタシの声が遮った
そして渚くんからお皿を、聖くんからフォークを取り上げる
目の前には溶けかけのアイスが乗ったパンケーキ
キャラメルとバナナ、それからナッツのトッピングがしてある
聖くんが今しがた、アタシの口に目一杯詰め込んでたモノはコレ
ソファーの前のローテーブルには様々なトッピングがされたパンケーキがずらりと並べられていて、これでもかという甘い匂いが部屋中に充満している
それにしても、あのあとぐったりと余韻に浸る間もなく、パンケーキを口に突っ込まれるとは思わなかった
『冷めるし、アイス溶けたら美味しくないってー♪』
って聖くんが笑ったのは一瞬で、
『…それともオレたちと続きしたいの!?』
と、妖しい笑みを浮かべたところで、渚くんの右フックが聖くんに命中してさっきのくだりに至る

