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ネムリヒメ.
第17章  極上スイーツ.




「や……ぁっ、意地…悪しな…っ」


気が立ってる理由は知らない…

こうなった葵くんは優しくないのは知ってるけど、でもっ…

優しくないっていうか、なんか意地悪っ!!


「っ…!!」


逃げたくてもビクビクと震えるカラダに力は入るわけもなく、もがけばもがく程、滑りあう肌がアタシの呼吸を切なくする


「ほら…カンジやすいクセにツラくないの!?」

「んや……だ……っ」


こんな風に甘く掠れた声が耳元であまりにも追い詰めるから、


「は……ん…」


結局は観念せざるを得なくて…

…知ってるくせに


「っ…右側、の…」

「ん…ドコ!?」

「耳と…っ」


ようやく口を割ったアタシの髪をはらい、そっと彼の指が耳に触れた


「それから!?」

「うなじと…ぁ……っ……」


アタシの言葉を追うように葵くんの指がツーっと肌を滑って


「くび…す…っ……んんっ」


その軌跡を辿るように、今度はチュッとリップ音を響かせながら唇が降りてくる


バスタブの底がツルツル滑って気を抜けば沈みそうになるから、後ろから羽交い締めにする彼にカラダを預けるしかできなくて

お湯に入ってまだ間もないのに、すでにのぼせたようにクラクラする


「あとは…!?」

「んんっ……もうな…ぃっ」

「ふーん、そ…」


首筋から肩にかけて滑らせた唇を離すと、葵くんは含みのある笑みを耳元で浮かべた


「じゃあ次は……」


次は…


「……ナギだね」


彼のゆっくりとした口調に心臓がドクリと鳴った



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