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ネムリヒメ.
第17章 極上スイーツ.
扉を蹴破られる大きな音と怒鳴りたてる大きな声にビクリと驚いて顔をあげた
「…っ……………!!」
そこに立っている人物に目を見張ると、息を吸い込んだ喉がヒュッと音をたてる
「うるっせーんだけど!!」
アタシたちを睨み付けるその人物に、息も絶え絶えに火照った背中が一瞬ヒヤッとする
白のインナーに、上下ネイビーで統一されたジャケットと細身のアンクルパンツ
サングラス越しでもわかる鋭い視線に、黒髪に金メッシュ…
ただならぬ不機嫌オーラでバスルームの扉を蹴り開けたのは紛れもなく…
「あっれ…みっくん、いたの!?」
「いたの、じゃねぇ!!なにやってんだテメェは、どんだけ響いてっと思ってんだよ」
…雅くんだった
そんな雅くんに平然と軽口を返す葵くんは、腕のなかのアタシを離そうとはしない
「…………覗き!?」
「んなわけねぇだろうが、クソ葵」
しかも、あろうことか
「わかるでしょ、邪ー魔っ」
「んやっ!!」
葵くんの指にぐりっとなかを掻き回されピクンとカラダが震える
「葵くん、やめ…っ」
ビクッ…
「最っ悪!!」
「早く出てって、このままじゃかわいそうだから」
「あ゛!?」
っ、待って!!
とにかく、どっちもやめて…
「んんっ!!…やぁ」
…じゃないと
もう…っ
「や……め、んんっ…!!」
しかし、響き合うふたりの声にアタシの声はかき消され…