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ネムリヒメ.
第18章  不機嫌な Navy Blue.




その頃、部屋のリビングでは同じくバスルームを抜け出した雅がソファーの上に身を投げ出して寛いでいた


「どいつもこいつもバっカじゃねぇの…」


ブツブツ呟きながら、サングラスを外してルームサービスのメニューを手に取る


「つーか、腹へったし…」


腕に着けた時計を見れば納得がいく時間だった


なのにどいつもこいつも…

今朝、全員にプレッシャーをかけられたからせっかく来てやったと思えばこの有り様だ


「こっちは結局うるせぇし…」


奥のバスルームからは渚と葵の言い合う声が聞こえ、

反対のベッドルームの方からは…


「……………」


聖が千隼を抱えて入る後ろ姿を確認しているが


「…どうでもいい」


広いスイートのリビングにポツリとひとり、呟く声が消えていく

そんな雅の内心は当然と言えば当然で、

帰ってしまおうか…

そう思ったが、帰ったとなれば魔王と化している渚が何をするかわからない


「めんどくせぇ…」


雅は苛立つ気持ちを抑えるように大きく息を吐くと、ソファーに寝転び再びメニューに目を落とした


しかし…


『だから謝ってるでしょ!!』

『ぁあ!?』

『ゴメンって!!』

『さっきも同じこと言ってたよな!! 』

『だってー…』

『だってじゃねぇし、なぁ…風呂じゃなくて東京湾に沈みてぇの!?』



「……………っ」


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