この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
いくら広いスイートルームとはいえ、男ふたりがただでさえ反響の大きいバスルームで怒鳴り合うとなれば、その声はただ漏れで…
「…………クソ葵…うるせぇな」
いつまでも風呂んなかで騒ぎやがって…
つーか、どっちも東京湾に沈めてぇ
次第に抑えていたイライラが膨らみ始める
そこで、気を紛らわせようテレビをつける
が…
『っていうかさ、なんなのナギは』
『なんだよ!?』
『今朝から!!』
『っ、話変えんな!!逆ギレしてんじゃねぇよ』
「…………………」
つーかマジで…
「……………っせぇし!!」
メニューとリモコンを手にしたまま立ち上がる雅
『そもそも、ちーちゃんにおさわり禁止ってナニ』
『自業自得だ、こっちがどんだけ迷惑被ったと思ってんだよ!!』
ああ、もう……
渚さんが葵にガチでキレるとか
よくわかんねぇけど…
「っるせぇー!!!」
バンッ!!
雅は再びバスルームの扉を蹴り開けた
「「………………!!」」
その大きな音にバスローブを着た葵と、その胸ぐらを掴む渚が振り返る
「マジでうるせぇから……お前らどっちも東京湾に沈めてやろぅ…」
「みっくん…」
「雅…」
不機嫌を通り越し、わなわなと怒りをむき出しにして震える雅に、ふたりはピタリと鎮まりかえる
が…
「すっこんでて!!」
「うるせぇよ!!」
「──────!!」