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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
………………
アタシがシャワーから出ると部屋のリビングには聖くんと雅くんがいた
この部屋にはバスルームがいくつかあるみたいで、さっきまで葵くんといた方からは、葵くんと渚くんの言い合う声が聞こえてくる
え…、修羅場って言ってたけど、今も!?
今まで…続いてるの…!?
アタシがさっき聖くんに連れ出されてからもうだいぶ時間が経ってるけれど…
「………………」
思わず絶句しているとアタシの姿に気がついた聖くんがニッコリ微笑んだ
ガウンを羽織りシャンパングラスを傾けている彼はアタシをソファーへと手招く
『…そんなこと言ってもしょうがないでしょ!!』
『お前の尻拭いはもう懲り懲りなんだよ!!』
『別に頼んでないからね!!』
『ああ、頼まれたくもねぇよ!!』
「えっと……まだ…っていうか、もしかしてずっと?」
こっちまで響き漏れるふたりの怒鳴り合う声
戸惑いを隠せずにいると聖くんがヘラっと笑う
「ずっとだって。仲いいんだか悪いんだか、わっかんないよね♪」
「えぇっ!! 止めなくていいの!?」
「ん!? 止めに入ったところで雅と一緒に東京湾に沈められるのはゴメンだし…」
えっ、雅くん!?
同じくソファーにいる雅くんを見れば、見るも無惨に憔悴しきっている様子で、ダルそうに寝転んでいる彼はアタシに視線を移そうともしなかった