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ネムリヒメ.
第18章  不機嫌な Navy Blue.




「もし雅が泣かせるような真似したらオレが海に沈めるから安心して♪」

「う……海!?」

「あははっ、そっ♪ その間にオレがあのふたりも黙らせとくし、食事もルームサービス頼んどくし」

「…ぁ……ぇ…」

「それに、雅なら誰よりもセンスだけは抜群だから大丈夫♪」


だ、大丈夫って…そんな


「チッ…センスだけはってなん……ぐはっ!!」

「…………!!」



ボソッと呟いたところで聖くんに潰され、聞こえてくるソファーに突っ伏した雅くんのくぐもった悲鳴


そして、しかたなさそうな雅くんと戸惑ったままのアタシは…


「はい、手ぇつないで♪二人仲良くいってらっしゃーい♪」

「クソ聖…」

「雅、オレと海行く!?」

「チッ…」


笑顔で手を振る聖くんに見送られ…


ちょっと外の空気にすわせて…

アタシの顔も見ず相変わらず不機嫌そうに告げた雅くんに連れられやって来たホテルのプールサイド


相変わらず雅くんはつっけんどんな態度なままで、会話もなく時間が過ぎていった

しかし、夜の冷たい風に飛び出したくしゃみに彼がおもむろにジャケットを脱いでアタシの肩に落とした

彼の香りとジャケットに残る温もりが冷えたカラダを包み込む


「…………!!」


初めて知る雅くんの匂い

意外って言ったら怒られそうだけど、フワッとした柔らかい石鹸のような…洗い立てのコットンのような香りに肩の力がちょっと抜ける




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