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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
ぶっきらぼうな声と差し出される手に目を見張る
顔をあげて目が合うと、雅くんが気まずそうに視線をそらせた
「だ…大丈夫、ありがとう…」
「っ、気を付けろよ…」
視線を外したままグイッとアタシを引っ張りあげる彼に、一瞬心臓がドキッとする
初めて目の当たりにしたイライラしている以外の彼の姿に頭のなかが真っ白になった
大袈裟かもしれないけれど、そのくらい衝撃的で
アタシのなかで雅くんはそれ程の存在になっていたらしい
その仕草はとてもそっけないけれど、アタシを動揺させるには充分すぎるわけで…
だけどそんな姿に、彼に対して張り詰めていた緊張の糸が僅かに緩んだのは確かだった
それから彼に連れてこられたのはホテルのショッピングモールのエリアだった
国際的にラグジュアリーなブランドのブティックが数多く軒を連ねていて、歩くだけで自然と目が輝いて頬が緩む
み、見たい♪
しかし…
「あとにしてくんね…」
横から聞こえる溜め息に我に返った
…忘れてた
雅くんと一緒だった
手を引っ張られて慌てて歩を早める
っていうか、手握られたままだし……
「……………っ」
って、アタシってば急になに意識してるの
でも、当たり前だよね…
まさか雅くんと手繋いでこんなところにくるとは思ってもみなかったもの…
チラッと斜め前を行く彼を見上げてみる