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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
「ひえっ!!」
カラダが変に傾いた
寒さと緊張で固まっていたせいか、足が縺れて思いきり躓いてしまった
「っ…おいっ!!……バカ…」
「うわ……っ!!」
転ぶっ!!
プールに沈むっ!!
い───やぁぁぁぁああ!!
必死に踏ん張った時にはすでに遅し…
グラリと視界が揺れ、平衡感覚を失う
プールサイドを照らす幻想的な照明が弧を描くように瞳に写りこんだ
しばらくして……
「おい、どけよ…」
なぜか痛くも冷たくもなく、下からそんな声がしてギュッと閉じていた目を開けた
ら……
「っ─────!!」
なぜっ!?
なぜにっ!?
カラダを起こして見下ろす先には怪訝な表情浮かべる雅くんがいて
ってなにこの態勢!!
なんでアタシが彼を組み敷いてるのっ!!
「いつまで乗ってんだよ…固まってんな、どけっ」
「っ…………!!」
その声にビクリとして慌てて彼の上から退くものの
「バッカじゃねぇの、転ぶなっつったばっかだろ!!」
う……
容赦なくトゲのある言葉が飛んでくるわけで…
「ごめんなさ…」
雅くんを押し倒してしまったおかげで怪我はしてないけれど、グサリと胸が痛む
すると…
「っ……じゃなくて」
彼がアタシの前にそっとしゃがんだ
「………してねぇの?」
「へ………?」
「怪我、してねぇのって聞いてんの」
「………!!」