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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
そうして彼の隣を歩いていると、とあるブランドのショップのショーウィンドーの前に女性が数人立ち止まって何やらうっとりと目を細めている姿が目に入った
なんだろ…
そう思っていると、不意に振り返ったその女性たちが僅かに歓喜の声をあげ始める
ん…!?
すると…
「あの、すみません…」
へ…!?
女性のうちひとりが雅くんに声をかけてきた
「………は?」
不機嫌そうに返事を返す雅くん
おぉ……ぃ
隣にいてビンビン感じる彼の殺気にも似た近寄んなオーラ
「あ…えっと…」
そんな彼の威嚇にも似た鋭い眼差しに声をかけた女性が震え上がっているのがわかる
しかし、彼女はそんな雅くんにも引き下がらず…
「っ、もしかして、葉山…雅さ…」
「……人違い、迷惑なんだけど」
「っ……!!?」
雅くん!?
誰かの名前を口にした彼女の声を雅くんの不機嫌な声がきっぱりと遮る
さらには…
「どけ…邪魔……」
ぇええっ!!
きっと初対面、しかも女性…
なのにその態度なに!!?
普段通り過ぎる!!
威圧的で攻撃的…貴方の綺麗な顔をそんなに怒りに歪めたらぁ…
攻撃力半端ないんだからね!!
ほらほらほら…泣いちゃうから
みるみる崩れていく目の前の女性の表情をみるに耐えられなくなったアタシは、とっさに手を添えていた雅くんの腕を引いた