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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
すると、
「おい、バカの言うこと気にしてんじゃねぇよ」
密かに顔をひきつらせたアタシを雅くんが引き寄せた
え…あ、ここは聞こえないふりして大人な対応!!って思ったのに…
ば、バレてたのか…
「き、気にしてない」
「は!?してんだろ」
「してない!!」
「顔に出てんだよ、バカ」
少し焦って返した返事に雅くんがさらに返してくるから、互いに少しずつムキになっていく
するとそんなアタシたちが仲睦まじく見えたのだろうか
『なにあれ、オンナの趣味悪ーっ』
『っていうか、葉山雅って性格も悪いって話じゃん。なんかさっきから口も悪いし』
『えー、じゃあ顔だけじゃん』
『仕事するのやっぱりなしにしよっかなぁー』
「…………!!」
聞こえてくるそんな声…
は……!?
え………!!?
なに、急に…
さっきまであんなにカッコいいとか、好きだって言ってたでしょ!?
聞こえてくるっていうか、わざと聞こえるように言ってるよね…
なんで妬みの矛先が雅くんに向くわけ!?
ころっと変わった彼女たちの態度に納得いかない気持ちが込み上げる
「っ……」
アタシのコトはなんて言いようが構わないけど
でも……!!
雅くんのコトなんにも知らないアタシが言うのもなんだけど…
なにも知らないくせに、なんかそんなのっ…!!
「っ…ちょっと!!」
あ……
気がついたらアタシは彼女たちに向かってそう声を上げていた