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ネムリヒメ.
第19章  記憶の中の摩天楼.




そして、聖くんは席を立つとアタシを上から下までじっと眺めてから目を細めた


「それに、よく似合ってるよ♪ 華やかで綺麗」

「…ああ」

「えっ…そうかな」


ふたりにそう言われて少しだけ頬が熱くなる

すると、


「……当たり前」


そう言いながら、荷物を置いた雅くんがソファーにどっかりと腰を沈めた


「…つーか、ババ抜きしてる暇あんならさっさとカギ開けろよな!!」

「あはっ、ごめーん」


ババ抜き…!?

これがババ抜きの現場なのか


彼からが囲んでいたテーブルの上には、散らばるトランプとそれはもう高く積まれたチップがたくさんあって…

確かに凄く盛り上がってたみたいだけど、こんなババ抜き見たことないんですけど…

普段からどんな遊び方してるんだ、この人たちは…


「…って、途中で抜けた葵くんは!?」

「あ…」


そういえば……

カギを開けてくれた葵くんが戻っていないことに気がつく


すると


「んっ…………!!」


後ろから急に誰かに抱きつかれて振り返れば…


「ちーちゃん酷い…みっくんに浮気だなんて」

「っ──!!」


さらさらの金髪がアタシの頬をくすぐって、漂う彼の香り


「っ…葵くん、離し…て」

「ん……!?」


って、おぉぉおい!!

お願い、普通に戻ってきて…!!

アタシをみんなの前で抱き締めたまま葵くんは微動だにしなかった


「ちょっと葵くん離れて!!」

「…………」


む…無視っ!?

聖くんの声を完璧に無視をした葵くんは、そのままアタシの胸元に手を伸ばす




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