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ネムリヒメ.
第19章 記憶の中の摩天楼.
「待っ…葵くん!!」
「ん…ダメ」
だ…ダメってなに!?
しかも、みんなの視線が恐いからぁぁあ!!
それでも未だにアタシを離そうとしない葵くんは、後ろから首もとにその綺麗な顔を埋めては擦り寄せてくる
「っ……んん…」
…ビクッ……!!
彼の高い鼻が髪を割って首筋に直に触れるから
た…助けて…
「…聖、やめさせて、それ」
「もう、葵くんいい加減に離れてよ」
「うっさい聖、邪魔しないで」
「マーキングすんな!!」
…ゲシッ!!
お…おぉぉ…ぃ
痺れを切らせた渚くんの声に、聖くんが引っ剥がしにきて葵くんに蹴りを一発
しかし、アタシを羽交い締めにする葵くんに効き目はなく…
ところが、
「バカか、お前…」
雅くんがそう口を開いた途端、葵くんが即座に顔をあげた
そして何を言い出すのかと思えば…
「ちょっと、みっくん…なんでこんなにちーちゃんからみっくんの匂いプンプンするわけ!?」
………………!!
「…は?知るかよ」
アタシは一瞬ドキッとしたけれど、もちろん雅くんは面倒そうに返事を返すだけ
しかし事故とはいえ、さっき雅くんに抱きついてた現場を目撃した葵くんは尚も食いぎみに突っかかってくるわけで…
「お風呂も入って服も新しいのに…なんなのこれ」
「…しつけぇな、わけわかんねぇ因縁つけんじゃねぇよ」
「わかんなくないでしょ、さっきだって廊下でイチャイチャ…」
……………!!
「してねぇよ!!」
「してないからっ!!」
あ……
ハモった………