この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第19章 記憶の中の摩天楼.
「雅と出掛けみて、なんかあったか?」
「え…」
「気になることとか、場所とか…」
渚くんの言葉に葵くんたちも顔をあげ、やる気なくソファーに横たわる雅くんもピクリと反応する
あぁ…そうだよね
って言っても、なにか思い出すとか周りを見るとか、雅くんに緊張しててそれどころじゃなかったな…
「う……ん…ゴメン」
「いいよ、無理には」
あ…
思わず言葉を詰まらせると、肩を抱く渚くんの手がそっと後頭部に添えられる
すると今度は尋問の目が雅くんに向けられるわけなんだけど…
「じゃあ、みっくんは!?」
「あ!? なんもねぇよ。それにオレもそいつも思い出すどころじゃねぇって…」
あ…
渚くんの腕のなかに納まるアタシをチラッと見る雅くんと目が合う
しかし、
「面倒押し付けられてそんな余裕ねぇっ…ゴフッ!!」
面倒扱いする雅くんの脇腹を捉える葵くんの長い脚
「みっくん、ちーちゃんとどこも寄ってこなかったの?」
「ゴホッ…葵、てっめ…」
「…お口には気を付けようね」
お…おぅ……
「で、どうなの雅。あはっ、寄ってこなかったらオレに刺されるけど…」
「はあ!? つーか、ふざけんなお前ら。このクソガキ!!」
葵くんに蹴られたあげく、煽られてソファーから起き上がる雅くんは聖くんに突っかかる…とか
「ハァ…話になんねぇな、千隼話して」
見ての通り話にならず、結果的に話はアタシに戻ってくるわけで…