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ネムリヒメ.
第20章 白と黒の影.
「なぁ、言いたいことはそれだけか…」
渚はゆっくりと彼女に近づくと蔑むような目で見下ろした
「そんな言葉は吐くほど聞き飽きてる…
つまんねぇコトしか言えないオンナに興味はない」
「なん…です…て」
「はぁ…もういいだろう、いつまでもアンタに構ってるほど暇じゃないんだ。
フンッ…ひでぇ顔でキャンキャン騒いでないで、せめてあのボンボンが戻る前に自分の顔、鏡で見といた方がいい…」
「っ…!!」
するとそこへタイミングがいいのか悪いのか、さっきラウンジで彼女と一緒にいた男が戻ってくるのが渚の目に入った
「クッ…ちょうどいい」
「………!!」
「躾のできてねぇ飼い主にご挨拶だ…」
渚の不敵な微笑みに怒りで真っ赤にした顔を急に真っ青にして振り返る彼女
「っ…!!じょ…冗談よ、さっきのは冗談…っ…」
男の存在に気づいた彼女は咄嗟に取り繕った笑顔を渚に向ける
が、
「…黙れ」
「……っ!!」
渚の殺気染みた一言に女性は凍りつく
そして、
「っあれ、そこにいるのは紫堂さんじゃないですか」
ふたりの耳に届くそんな声
「こんばんわ。先日のパーティーはとても楽しませていただきました。とても良かった」
渚の存在に気づき、接近するなり挨拶を交わす男の様子に彼女はビクリと表情を強ばらせた