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ネムリヒメ.
第21章 あの夜の王子様.
「ッ……ん、や…あっ………!!」
「…………」
「ふっ……ぁあっ…待っ…」
「……は…ぁ…」
「い……や…ぁあ、っ…ん」
ほの暗い部屋の柔らかなソファーの上
天井から下げられた豪勢なシャンデリアの淡い光の下
膝の上に乗せられ淡い快感に揺さぶられながら、戸惑いと混乱に瞳に涙が滲む
下げられた背中のファスナー
剥き出しになった肌に落とされる口づけ
今日初めて知ったばかりの彼の香りが上がる体温と共にアタシを包み込む
柔らかな石鹸の香りとは相反して、力強い彼の腕に掴まえられたアタシのカラダは、何度逃れようと身を捩っても敵うことはなかった
なんで…
どうして…
そんな想いが頭のなかを駆け巡る
「……ちぃ…」
「ふ……んん…ッ…やっ」
だって…
そうアタシの名前を呼びながら指先で優しく素肌を愛撫するのは
渚くんでも…
葵くんでも…
聖くんでもなくて…
「ッ…待っ…て……」
「…………っ」
─彼…
「…っ……雅…くッ…」
雅くんだったから…
涙でぼやける視界の先にある、黒髪に金メッシュの前髪の隙間から覗く熱をはらんだ彼の鋭い瞳
「おねが…っや…ぁあっ!!」
妖艶に光る瞳に犯されるように見つめられ、誘う甘い吐息に反応してしまうカラダがビクリと跳ねる
「…ちぃ……」
「っん…う……」
そして雅くんは聞いたことのない甘い声でアタシの名前を呼びながら唇を重ねると、
込み上げた熱に耐えきれなくなったように、性急にソファーに押し倒した