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ネムリヒメ.
第21章  あの夜の王子様.






再び訪れる沈黙にがっくりと肩が落ちる


しかもあろうことか、


「…………!!」


身を捩ったせいでさらにはだけた彼のシャツ

もはや着てる意味ないんじゃ…なレベルでフロントがフルオープンになっていた


う…わ……


「っ……」


思わず見とれてしまうほどの美しく整ったカラダに、ドキリとして目を覆いたくなってしまう

ってどっちなんだ、アタシ…

しかしそれは、確実にアタシの目を奪っていた


張りのある逞しい胸

筋肉質な背中に続くくびれた腰のライン…

見事に作られたシックスパックの腹筋と腰骨が男性特有の色気を醸し出していて…

天井のシャンデリアの淡い光が作る隆起した筋肉の影に、思わず息を飲んだ


背が高くて脚も長くてスラッとしてる外見からはわからなかったけれど、こんなにもキレっキレのカラダの持ち主だったとは…

さすが世界で活躍する一流モデル

今日、こんなカラダに何度も抱き止められたなんて思うと、顔に熱が集まった

って変態か、アタシは…

いやいやいや、こんなカラダを見せつけられたらアタシに限らず正当な反応だと思います


とりあえず目の毒は封印っ!!

ソファーの背もたれに投げ置かれたジャケットを手に取り、雅くんのうえにそっとかける


「これでよし…っと」


結城千隼、任務を続行します!!


そんな報告と敬礼を胸のなかで渚くんへ捧げる

そして再び雅くんを起こすべく彼のカラダに手を添えたその時だった


「これでいいって…なにが…」


え……



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