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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
快楽の頂きに堕ちたまま、体内に響く鼓動を感じながら、アタシはぬるま湯のような陶酔のなかにいた
強烈な絶頂で意識は朦朧としたままで、頭のなかはモヤモヤと霞がかっている
聴こえるのは自分の喘ぐ息づかいと、ドクドクと激しい鼓動だけで…
絶頂によるカラダが強ばりは解けたのに、
力の入らなくなった自分のカラダが唯一、緩むことなく咥え込んで締め付けたままでいる雅くんの指…
すると…
「フン…意外と早かったな…」
息を喘がせているアタシを抱いたままの雅くんが鼻で笑う声がした
早…かった……!?
なに…が…!?
…わけがわからない
しかし次の瞬間、
綺麗な形の唇に、どこか勝ち誇ったような笑みを乗せる雅くんの…
妖しく細められた彼の瞳に映るその姿に
虚ろだったアタシの瞳は瞬く間に大きく見開かれることになる
「…渚さん」
「────!!」
雅くんがゆっくりと口にした名前と、すぐ近くでフワッと鼻を掠める彼の香りに
アタシの意識は一瞬で、ぬるま湯のなかから引き上げられ
動けないまま、ただドクンと心臓が嫌な音をたてた
「フン…残念」
「…っ、雅…お前……」
渚くんに挑発的な視線を絡ませながら、雅くんは口元を嫌みっぽく歪ませ視線をアタシへと移すと
「これからだったのにな…」
「ッ…ん…あぁ…!!」