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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
「どっちかは知らないけど…さ」
口のなかへと広がる甘さと独特なチェリーの香り
「酒に弱いくせに、あの日は飲んだんだか飲まされたんだか…
泥酔ってだけあって、お陰で寝て起きたら雅の記憶は見事に吹っ飛んでたってワケ
だからちょーっと強引だったけど引っ張り出しちゃったんだよね、記憶の有無は博打に近かったけど♪」
そんなことって……
「あはっ♪ "あの日の王子様"を♡」
「っ…」
「はあ…それにしても想定外だなぁ」
聖くんは言葉を失ったままでいるアタシを頬杖をついて眺めながら、紅くなった首筋をチョンっと指先で突く
「まさか、ここまで王子様が暴走するなんて」
彼は視線を他のふたりに巡らせるとフッと息を吐きながら目を細める
「ね、これってオレの責任になっちゃうわけ!?
ライバルを増やしたくないのも、渚くんと葵くんが面白くないのもわかるけど…もう、諦めて!?」
「「…………」」
………………!!
開き直れというような聖くんを、沈黙したまま睨む渚くんと葵くん
だけど、
「…ダッセ」
「「…………!!」」
アタシと同じピンクレモネードを手にして鼻で笑った雅くんの一言にピクリと眉が動く
しかし、そんなふたりをよそに
「あーあ、お兄さまたちコワーい」
アタシにカラダを擦り寄せ、甘える瞳でまんまと場の空気をぶち壊す聖くんは…
「それよりちーちゃん…あんなにイカせてあげたのにオレじゃ足んなかったの!?」