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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
驚きのあまりにあんなに出ていた涙さえも引っ込んで、カラダがすくむ
訳のわからないまま、どこか薄暗い場所に引き込まれて、閉まる扉がゆっくりと光を閉ざしていくのが滲んだままの視界に映り込んだ
暗さに慣れなくてなにも見えない
ただわかるのは、背後から誰かに羽交い締めにされて、口元は手で覆われていることだけだった
どうしよう…
声が出ない
カラダも動かない
虚しくも暗闇の静寂にバタン…と完璧に扉が閉まる音がこだまする
すると、それを確認したかのように、耳元で笑う声が聞こえた
「…捕まえたよ♡仔猫チャン」
「っ……………!!」
聞き慣れない男の人の声…
「…ひとりになっちゃダメだって、お坊っちゃまたちに言われなかった?」
「っ……ぅ……」
静かに囁かれるその声に背中にゾクリと戦慄が走る
「大事にはしたくないから、静かにしようね」
「ッ…!!」
首筋に顔を埋められてチュッと音をたてられピクンと肩が跳ねたけれど、腰に当てられた何か固いモノの感触に背筋が凍りつく
カチャッ…と鳴った無機質な音に心臓がドクンと跳ね上がって、息を吸った喉がヒュッと変な音をたてた
なに…これ……
それが何かだなんて考えたくもない
考えたくもないのになぜかはっきりと脳裏に浮かぶそれが、恐怖心を一気に煽り立てる
「っ………」
助け…て…
どんなに強く心のなかで叫んでも、声にならなくて
混乱と恐怖に滲む冷や汗