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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
身の自由と視覚を奪われている分、その他の感覚が研ぎ澄まされ
吐息と舌を絡ませられる粘着質な水音がやけに鮮明に脳裏に響き渡る
吐息をも絡めとられ、息もできない程の深い口づけと、密着して上がる体温に乗じて沸く、噎せかえるような薔薇の香りに次第に頭がボーっとしてくる
アタシ…
この香り…どこかで嗅いだ気がする…
どこかで…
朦朧としている意識に手を伸ばすけれど、乱れる呼吸に頭がクラクラしていてなにもままならない
気がつけば力の入らなくなったカラダは壁に押し付けられ、男に腰を支えられなければ崩れ落ちてしまう状態だった
「そろそろいいっかな…」
すると、息を喘がせるアタシの耳元に落とされるそんな呟き…
「…お喋りはベッドでゆっくりね」
フフッと濡れた唇から笑う声がして、床の上でピンっ…となにか小さなものが弾けて転がるような音がした
…途端、再び唇を塞がれたのと同時に、口のなかに押し込まれた小さな固まり
「ッ…!!」
それは男の舌先に乗せられてアタシの喉元の方まで深く差し込まれる
異物を察知したカラダが拒否反応を起こして、必死にそれを戻そうとするけれど
「ほーら、怖くないから上手にゴックンしてごらん」
「ん……ッ…うぅ…!!」
クチュっと絡ませられた蜜を流し込まれて、戻すことは許さないと深く舌先で押し込まれる