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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
「おいっ…物騒なもん振り回してんじゃねぇぞ、ガキ」
「あっれー、雅…偶然だね♪ そんな顔してどうしたの、さーむそっ」
「あ゛!?」
バカにしたような口調でヘラっと笑って返す目の前のオトコに、雅はウォーターガンのトリガーに手をかける
「あのな、ガキに構ってるほどヒマじゃねぇんだよ」
「ふーん…」
向けられる含みのある笑みに苛立ちを覚える雅
「さっき葵くんにも会ったけど、もしかしてみんなでかくれんぼでもしてんの!?」
「は!?…んなわけねぇだろ」
「じゃあ、鬼ごっこ」
「してねぇよ、うるせぇな…急いでんだよ」
雅は取り上げたウォーターガンを絡むオトコに突っ返し、千隼の捜索続行のためその場をあとにしようとする
しかし、
「ねぇ、今日は姫は一緒じゃないの」
再び発射され顔に命中した冷たいレーザー砲と、オトコの言葉に雅はピクリと顔を歪めて立ち止まった
バッと振り返る雅にオトコは綺麗な形の唇に悪戯な笑みをのせる
「あぁ、ゴメン♪兄さんに取られたんだっけ」
「…………!!」
「なっさけないよねー」
さらには煽るような物言いと、オトコが"兄さん"と呼ぶ人物を思わせるような美しくも鋭い眼差しに右フックをくらった腹部がズキンと疼く
「望(のぞむ)…っ、テメ…」
「ほーら、急いでるんデショ。早くいきなよ」
望と呼ばれたそのオトコはヘラっと笑うと、再びサングラスで目元を覆い手元のウォータガンにチュッと唇を落としてから鼻で笑う
「じゃないとヤバイよ」
「っ………!?」
「お前の、姫が♡」
「……………!!」