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ネムリヒメ.
第4章 楓─maple─.
「聖の、その殺人ドリンク…おいしいとか言うヤツ初めてみた」
「ちーちゃんも根っからの甘党かぁ…」
「やったねー♪」
呆れ返るふたりをよそに聖くんだけがすごく嬉しそうにしている
殺人ドリンクって…
聖くんはとんでもない甘党らしい
アタシも甘いものに目がないのは確かだけど
「あ、そうだ♪ ねぇねぇ、ちーちゃんにいいもの見せてあげる」
「いいもの!?」
「ここのなか案内してあげるから行こう!?」
嬉しそうな聖くんが話を切り上げて席を立った
「でもアタシ、話しの途中じゃ…」
「千隼、今はもういいよ」
戸惑うアタシの声を渚くんが遮った
「ぇ…」
「…あまりムリに思い出すな」
「でも…」
「大丈夫だよ ちーちゃん、ゆっくり思い出そ!?」
ポンと頭の上に置かれた手の感触に顔をあげる
「もし不安になったらオレたちが側にいるから言って?」
葵くんが優しい笑みを向けてくれる
「うん、ありがと」
「そうそう…ってことで、出発ー♪」
アタシは嬉しそうな聖くんに手を引かれてダイニングをあとにしたのだった