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ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
そして間もなく差し出されたの彼の握り拳からなにかがテーブルの上にばらまかれた
「なん…で…のんちゃ…」
「えー、言ったじゃん、さっき。"オレの仕事は終わった"って…こうしてご褒美も貰ったし♪」
そう言ってさっさとマンガに戻った望
彼女が驚くのもわけがなかった
バラバラと固い音をたてて転がるそれは、本来若葉ちゃんが手にしたモノのなかに収まっているはずの銃弾だったからだ
「ッ…、嘘でしょっ」
「ん…さっきスッた」
「掏ったって…」
慌ててグリップから取り出したマガジン(弾倉)のなかを確認する若葉ちゃん
「っ、…のんちゃんなんて大っキライ」
「うん、キライで結構」
「────!!」
そんなのどうでもいいときっぱりと吐き捨て、彼は書物のなかの大航海へと戻っていく
…ホント望って、いいキャラしてると思う
それにしても、テーブルの上には使われていない八発の弾がある
全部抜かれてれば重さが相当違うはずなのに…
握り慣れてないからなんだろうけど、そんなコトにも気がつかないなんてホントにオツムが足らないなぁ
オツムが足らないくせに可愛さの欠片もない
「ねぇ…着なよ、目ざわりだから」
薄っぺらい笑いを浮かべると、彼女にひんむいたドレス共々を放り投げる
そして、若葉ちゃんから取り上げた銃に弾を詰め直したオレは…
「"コレ"…なんだかわかるよね」
今度は自分のポケットをから取り出した"あるモノ"をかざしながら、改めて彼女と向き合った