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ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
「…黙秘権なんてないから」
急に黙りを決め込むから、黒い笑顔で凄みながら彼女の顔を拳銃の鞘の部分で持ち上げた
そこで再び赤髪の船長の言葉が脳裏を過るけど、銃口を向けてないだけ望共々見逃して欲しい
だけど、オレは知ってるんだ
彼女が黙っちゃった理由が♪
…邪魔してるんだよね、そのエベレストみたいな標高8,000メートル超級のプライドが
陰湿で冷酷無慙なオレのお陰でその山肌はもうズッタズタでボッロボロだろうけど♪
でもね、元々は若葉ちゃんがイケナイんだよ
つい出来心だろうが、一瞬でもオレたちを敵にまわすようなコト、するから…
なかなか口を開けないでいる彼女を前に、可笑しすぎて憐れみに似た感情を抱くオレ
だけどこのまま黙りを続けられるのはもってのほか、下手したら日付が変わるどころか朝がくる
でもそんなのゴメンだからね、仕方ないからそのどす黒い胸のうちはオレがしっかり代弁してあげるよ♪
彼女の彷徨う視線を無理矢理奪い取り、鼻で笑うのも程々に敢えてゆっくりと口を開く
「あぁ、そっか…言えないか。オレなんかにあっけなく身ぐるみ全部剥がされたうえにあんな辱しめを受けて、散々侮辱もされたからプライドがズタズタだもんね」
「………」
「自分ではちょっとした出来心でおいたのつもりだったのに、受けた戒めは計り知れないから。
それなのに今さら、ゴメンなさい。だなんて恥ずかしくて、言えるわけがない」