この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
「…ってワケで、これ没収ね」
オレは銃のセーフティを改めて確認すると、涼しい顔で最後のメープルシロップをグラスで呷った
ついでに望には新しいミルクティを頼んで、若葉ちゃんには散々迷って仕方がないからガウンを貰う
「…ひーちゃんは…全部知ってたの」
ガウンを受け取った若葉ちゃんが俯いたままポツリと言った
「んー、言ったじゃん。"全部"お見通しって♪」
"全部"の意味の深さは若葉ちゃんとは違うケド…
まったく、ホントどこまでもイヤラシイ郁くん
若葉ちゃんにちーちゃんの鍵の偽物を握らせるなんて
なんのためって、そりゃもちろんオレたちを欺く為なんだろうけど
「………♪」
…だったら本物はどこにあるのかって!?
あぁ、それなら安心してよ♪
見つかってなかったら、オレがこんなところで悠長に若葉ちゃんなんかに構ってるはずないでしょ♪
─だってもう、本物はね…♪