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ネムリヒメ.
第26章  夜明け.






「…で、お前はいい。

お前はいいけど…なんでこいつが偉そうにベッド占領してんだよ」

「さぁ…」


ひとつのベッドのうえに3人仲良く横並びに腰を下ろす


オトコ同士が並ぶのは気持ちが悪いと、暗黙の了解で雅くんと聖くんの間に挟まれた

そしてその全員の視線の先には悠々とひとりベッドを占領する影がある

そうそれは、アタシの見知らぬもうひとりの天使の姿だった


「知ーらない。だってオレ、さっきここに戻って来たばっかりだし」

「は?」

「ちょっと野暮用で家戻ってた。手持ちのPCじゃミサイルまでは飛ばせなくて。しかもここ、オレの意向で特定の電波以外遮断するようにジャミングしてもらってるから、それが逆に今回ちょっとネックでさぁ…」

「………あっそ」


アタシを挟んだふたりの会話はっていうか、聖くんがさらっと凄まじいことを言ってる気がするけど何も言うまいて

それはいいものの、


「だから今から寝る。ちーちゃんと寝る。望なんて知らない。ついでにお前も知らない。っていうか、邪魔だから今すぐにどっか行って、5数えるうちにどっか消えて」

「あ゛!?」


寝不足は毒舌を助長するのだろうか


「消えなきゃオレが消す。5…4…」

「………」


理不尽なカウントを始める小悪魔

無論、理不尽の点火先は雅くんという名の不機嫌ミサイルの導火線である


─これってきっとダメなやつだ

絶対飛ばしちゃダメなやつだ!!


訳のわからない勘がよくわからない警鐘を鳴らす





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