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ネムリヒメ.
第26章 夜明け.
「寝不足で返討ちかぁ…残念だよ。オレ、葵くんのコトけっこう好きだったのに…」
うん、そうだよね…って、ぇえ!?
「嘘だよね…っ」
「バカ。んなの冗談に決まってんだろ」
「あぁ、心配すんな。知ってるか?寝起きよりも寝不足のアイツのほうがタチ悪いって…」
あぁ…そうなんッ…
「うん、知ってる♪知ってる♪」
………悪魔っ!!
…とまぁ、そんなタチ悪い悪魔の冗談もほどほどにしたところで、携帯も繋がらない葵くんの謎の音信不通状態は変わりなく…
「埒があかない…」
とうとう痺れを切らした渚くんの絶対的権力に基づき、ものの数分で飛んできた支配人からマスターキーを入手した
「あとは、鬼が出るか蛇が出るか…だな」
「あっははー♪それって寝起きの葵くんか寝不足の葵くんかってこと?」
「さぁ…そもそも出てくるのが葵だったらいいけどな」
それって…
「オレの冗談、まんざらでもなかったり~♪」
「なっさけねぇな、葵も…」
「ってことで、お前せーんー…とぅっ♪」
─ドカンッ!!
ヘラっと渚くんからキーを取り上げ、一番の痛手を負っている雅くんを突入部隊の先頭に突き出す聖くんはやっぱり悪魔だ…とか今はどうでもいい
「雅、いっきまーす♪」
「ふざけッ…!!」
こうやっていつもの調子でなんら変わりなくやりあっているけれど、彼らの間の空気がすでにピリッとしたものに変わっていることに気がつかないほどアタシだって鈍くはない