この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ネムリヒメ.
第26章  夜明け.







さっきの冗談が冗談じゃなかったら…


扉の先に漂い始めた予期せぬ暗影は、その一歩が踏み出せなかったアタシの胸のうちを簡単に覆いつくしてしまう


葵くん、無事だよね…

なにもないよね…


ドクドクといった嫌な音が言い知れぬ不安を煽りながら血液と一緒に全身を駆け巡る

どうしようもなく嫌に胸が騒いだ


「……お前はオレと最後な」

「ひッ…!!」


思わず固唾を飲んだところで、不意に肩に触れた渚くんの手に驚くほど全身がビクリと跳ねた


「あ……、ゴメ…ン」


そのまま渚くんがアタシの肩を抱き寄せるけれど、


ッ…


─さっきと一緒だった

そこで再びカラダが思うように動かなくなっているのに気付く


どうしよう…

どうしよう……


何とか自分を奮い立たせようと拳に力を込める

けれど、覚えるのは作られた握り拳に力が入っているのかどうかわからない妙な感覚だった


「千隼!?」


どうしよう…

どうしよう……


そんなアタシを次第に襲うのは心地の悪い息苦しさだ

すると渚くんが硬直したまま立ち尽くしているアタシの顔を覗きこむ

そして、肩に触れていた手がポンと頭に落とされて…


「…お前は強いな」


え…


かけられたのは意外な言葉だった


アタシが…強…い…!?


…そんなわけないのに


あからさまに内心を覆すような彼の言葉に思わずきょとんとしてしまう





/892ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ