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淫らデッサンに疼く人妻
第22章 電話
「ええっと……。その……その描き手さんに、身体を触られることなどはありますか?」
「そんなことはあり得ませんよ。茜さんが望まれる場合を除いて」
「わ、私はそんなこと……!」
「ええ、ですから、あり得ませんよ。なので、心配はご無用です。ものの1時間、ポーズの練習をしていただくだけですから。どうですか、あと1回だけ、お願いできませんか?」
 こういう頼まれ方をすると、茜は断りにくかった。
 近崎の言うとおり、教室にて10人以上もの男性の前で脱ぐことができるかどうかは、茜自身にもまだ分からず自信がなかったので。
 そしてまた、近崎の「あと1回だけ」という言葉も、茜の心を動かした。
 あと1回だけならいいかな、という気になってきた茜は、近崎に言う。
「で、では……あと1回だけなら……。あの、約束してください。近崎さん以外の方が、おかしな行動をなさらないことを……」
 この発言は裏を返せば、「近崎だけなら、おかしな行為に及んでもいいけど」ということだったが、茜は気づいていないようだ。
 近崎はすぐに答えた。
「もちろんですとも。お約束しましょう。では、次週木曜、お待ちしていますよ」
 こうして、茜にとって、アトリエでの最後のモデルが次週木曜に行われることに決定した。


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