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淫らデッサンに疼く人妻
第23章 最後のデッサン
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 あっという間に、その木曜日が来た。
 近崎はいつものように、衛一をアトリエへ招き入れると、「少々お待ちください」と言って席を外す。
 もう15分もすれば、茜が来ることになっていたので。
 描き手を予定時間よりかなり早めに呼んでおき、後から来るモデルを待つのは、いつものことだった。

 近崎ははやる気持ちを抑えつつ、玄関で茜を待っている。
 すると、チャイムが鳴ったので、急いで応対する近崎。
 来たのは予想通り茜だった。
 挨拶を交わしたあと、近崎が言う。
「いつもなら、すぐにアトリエに入っていただくのですが、本日は別室にて服を脱がれませんか?」
「え?」
 いつもは、アトリエで着替えていたので、茜は不思議そうな表情だ。
 近崎が説明する。
「いや、本日は描き手の人数を増やしておりますので、茜さんが恥ずかしがられるかと思いまして。それにそもそも、教室では更衣室をご用意いたしておりますし、別に他のお部屋で着替えていただいてもかまわないですからね」
「それじゃ、そうしますね。ご案内よろしくお願いします」
 茜は即答した。
 今までから別室で着替えさせてくれればよかったのに、などと文句を言うこともせず。
「ええ、ではこちらへ」
 近崎はそう言うと、2階へと茜を案内した。


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