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淫らデッサンに疼く人妻
第23章 最後のデッサン
 茜は一瞬、呆然となった。
 まるで夢の中にいるかのような表情で。
 そんな茜に、近崎が言う。
「気持ちよかったですよ。茜さんも、同じみたいですね。私のモノを締め付けながら激しくイって、精液をたっぷり受け入れてくださいましたから」
 この言葉が、茜を急速に現実へと引き戻したようだ。
 茜は声を限りに絶叫した。
「きゃああああああ!!」
 近崎はつとめて平然とした様子で言う。
「あれ? どうなさったのですか? 2回目、始めましょうか?」
 そう言って、腰を再び動かす近崎。
 しかし、もちろん茜はそれどころではないようだ。
 近崎の身体を必死で押しのけようとする茜。
 その視線は、衛一を射抜いたままで。
「いやああ!! ど、どいてくださぁい!!」
「茜さん、どうなさったのですか? ああ、セッ×スしているところを見られたのが、恥ずかしいのですね。これは失礼しました」
 茜の狼狽の理由を完全に分かっているくせに、わざとらしくそう言う近崎。
 必死で近崎を遠ざけようとする茜の両手に押されながら、近崎はゆっくりと腰を上げた。
 花蜜と樹液にまみれたシンボルが、ぬるりと花裂から抜けていく。
 茜の意思とは裏腹に、果肉は名残惜しげに蠢いていた。
 すっかりシンボルが抜き取られると、花裂から一筋、白い液がたらりと垂れる。
 夫以外が放った樹液の証だ。
 だが、茜はそれどころではなく、がばっと起き上がると、座り込んだまま衛一を見た。
 茜の目は泳いでおり、その狼狽を如実に表している。
 茜は「うう」とうめくものの、一言もまともに言葉を発せないまま、目を白黒させていた。
 衛一もまた、かける言葉が見つからないようで、黙ったままだ。
 気まずい沈黙がアトリエを包み込む。
 それを破ったのは、近崎だった。
「ちょっと所用がございまして。しばし席を外しますね」
 言い訳がましくそう言うと、そそくさと服を着込み、近崎はアトリエから出ていった。


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