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淫らデッサンに疼く人妻
第11章 衛一の帰宅
 その後、衛一の出張についての話を聞いた茜。
 一通り話を終えた後、衛一が聞いた。
「どうだ? そっちは何か変わったことがあったかな?」
「ううん、特には。美雪には会ったけどね」
 茜はもちろん、デッサンモデルのことは話さない。
「そっか。平穏無事こそ、幸せなことかもしれないし、よかったね」
 ニコニコして言う衛一を見ていると、茜はまたしても後ろめたい気持ちになる。
 隠し事をしていると受け取られても仕方ない状態だったので。
「あなた、疲れてるでしょ。顔色が良くないね」
「まぁね。それなりに疲れるよ、出張は。それじゃ、風呂でも入るか」
「うん、もう沸いてるよ。ゆっくりね~」
 そして、衛一はお風呂場へと向かった。



 その後も、夫婦で色々な会話をしたが、結局茜がデッサンモデルについて触れることも匂わすこともしなかった。
 衛一の話に笑顔で相槌を打つ茜。
 衛一はいつも通り明るく話してくれていたが、その顔色を見ると、疲労感が募っていることは茜にとっては明らかだった。
 なので茜は、通常よりも早めに寝ることを提案。
 寝室へと移動した二人だったが、こんなに疲れた様子の衛一に対して、性交がしたいなどとは、とてもではないが茜には言えない。
 そして二人は「おやすみ」と言い合い、キスを交わした後、電気を消した。


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