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淫らデッサンに疼く人妻
第13章 衛一の衝動
「お? 三郎じゃないか?」
その日の午後7時、帰宅途中の衛一は駅前にて、少し離れたところを歩く一人の男性に気づき声をかけた。
その男性も衛一も、スーツ姿だ。
「おお! 衛一君か! 久しぶりだなぁ。元気か?」
振り返った三郎は、嬉しそうな笑顔で衛一の手を握った。
三郎は美雪の夫で、衛一とも仲が良い。
三郎、美雪、衛一、茜の四人は、大学のサークルが一緒だったことで知り合ったのだ。
そして後に、衛一と茜が、続いて三郎と美雪が結婚し、現在に至っている。
「茜さんは元気?」
「ああ、元気にしているよ」
「衛一君と茜さんは、ラブラブだったもんなぁ。今もラブラブなんでしょ? 羨ましいや」
三郎は目を細めた。
「そういうお前は、まだ美雪と別居中なのか?」
「『まだ』って言うか……もう終わってるよ、俺たち」
苦笑しながら答える三郎。
衛一はかける言葉を探したが、三郎がすかさず言葉を続けた。
「気を遣わせてごめんな。理由を知りたいんだろうけど、理由って言っても特にないんだなぁ、これが……。お互い、不倫も浮気もしてなかったし。ただただ、『俺たちは合わなかった』それだけかな。同棲せずに、結婚して初めて一緒に暮らし始めたんだけど、そこでやっと分かったってわけ。美雪も俺も、かなり長い間、我慢して頑張ったけど、限界が来るのは時間の問題だったな。そして、別居って感じだ」
「そうか……」
軽く頷く衛一。
「心配をかけてごめんな。でも、そんなに気にしなくても大丈夫だから。俺は新たな恋に向かい始めているし、美雪も最近楽しそうだし、お互いハッピーだからな!」
明るく言う三郎に、衛一が尋ねた。
「美雪と会話はしているのか?」
「うん、全然会ってはいないけどね。こないだ電話で話したよ。別に、お互い嫌いあったり憎しみあったりしているわけじゃないからな。美雪は楽しそうに近況を話していたよ。なんでも、この近くにある絵画教室にて、ヌードデッサンモデルたる仕事に挑戦中だそうな」
衛一の眉が、注意していないと分からぬ程度ではあるが、ピクリと動いた。
その日の午後7時、帰宅途中の衛一は駅前にて、少し離れたところを歩く一人の男性に気づき声をかけた。
その男性も衛一も、スーツ姿だ。
「おお! 衛一君か! 久しぶりだなぁ。元気か?」
振り返った三郎は、嬉しそうな笑顔で衛一の手を握った。
三郎は美雪の夫で、衛一とも仲が良い。
三郎、美雪、衛一、茜の四人は、大学のサークルが一緒だったことで知り合ったのだ。
そして後に、衛一と茜が、続いて三郎と美雪が結婚し、現在に至っている。
「茜さんは元気?」
「ああ、元気にしているよ」
「衛一君と茜さんは、ラブラブだったもんなぁ。今もラブラブなんでしょ? 羨ましいや」
三郎は目を細めた。
「そういうお前は、まだ美雪と別居中なのか?」
「『まだ』って言うか……もう終わってるよ、俺たち」
苦笑しながら答える三郎。
衛一はかける言葉を探したが、三郎がすかさず言葉を続けた。
「気を遣わせてごめんな。理由を知りたいんだろうけど、理由って言っても特にないんだなぁ、これが……。お互い、不倫も浮気もしてなかったし。ただただ、『俺たちは合わなかった』それだけかな。同棲せずに、結婚して初めて一緒に暮らし始めたんだけど、そこでやっと分かったってわけ。美雪も俺も、かなり長い間、我慢して頑張ったけど、限界が来るのは時間の問題だったな。そして、別居って感じだ」
「そうか……」
軽く頷く衛一。
「心配をかけてごめんな。でも、そんなに気にしなくても大丈夫だから。俺は新たな恋に向かい始めているし、美雪も最近楽しそうだし、お互いハッピーだからな!」
明るく言う三郎に、衛一が尋ねた。
「美雪と会話はしているのか?」
「うん、全然会ってはいないけどね。こないだ電話で話したよ。別に、お互い嫌いあったり憎しみあったりしているわけじゃないからな。美雪は楽しそうに近況を話していたよ。なんでも、この近くにある絵画教室にて、ヌードデッサンモデルたる仕事に挑戦中だそうな」
衛一の眉が、注意していないと分からぬ程度ではあるが、ピクリと動いた。