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あたしに全部見せなさいっ!
第8章 愛の説教部屋

ーー拒絶。昨日と一緒だ。
だって今、絶対目があったもん。あたしが柚留に話しかけようとしてたのだって、わかったはずだもん。わざと無視したんだ。
ぷるぷると手が震えて、視界がぐにゃぐにゃと歪む。
「あれ、まりねー?」
その時ふいに、後ろから声をかけられた。振り向くと、げた箱に詩織の姿。帰ろうとしてあたしに気付いたらしい。
「し、詩織……っ」
「え!? どしたん!? 泣いてんの!?」
ぎょっとしたような顔で、固まる詩織。
感極まったあたしは、全力で駆け出し詩織に抱きついた。
「うおっ」
廊下にしりもちをついた詩織を、思い切り抱きしめる。
「なんなんだ、どーしたのっ! なんかあった!?」
「ゆ、柚留がぁ……っ」
「え、森永くん?」
ぽかんとなる詩織。
もうダメだ! どうしたらいいかわからん! あたしは詩織に柚留との全部を話した。同人誌に協力してもらった辺りからの全てを。

