この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あたしに全部見せなさいっ!
第11章 エピローグ
「率直に言わせてもらうけど」
そこで一拍、二拍。ごくりと唾を飲むあたし。
だって、原稿を抱える詩織の目はなんだか険しくて……。やっぱりリアリティー無かった? 感情移入できなかった? なんて、マイナスな評価ばかりが頭をよぎる。
三拍めにして、ようやく詩織は口を開いた。めいっぱい、破顔させて。
「これ、超良かったよーっ! 感動した! お互いがお互いを想い合う気持ちがストレートに伝わってきて、でもちゃんと、男同士っていう弊害や葛藤もあって、なのに全体的に暗い雰囲気ってわけでもないし、爽やかなくせにリアルだった! ちゃんとリアルだったよまりね! やっぱり、まりねが恋をしたから、こんなに感情移入できるキャラや共感できるストーリーが描けるようになったのかもね!」
あたしの読み通りだわ、って言って、詩織は笑う。