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あたしに全部見せなさいっ!
第4章 男の子の体
翌日の土曜日。午後の一時くらいに、柚留がやってきた。一方的にあたしから持ち出した約束も、律儀に守ってくれる柚留。
玄関のピンポーンにすぐさまドアを開け、柚留を中へと招き入れた。
「あら、柚留ちゃん? 久しぶりねぇ!」
「こ、こんにちはー。お邪魔しますぅ」
専業主婦のお母さんもびっくりだ。確かに、柚留を家に呼ぶのは、中学校以来かもしれない。
ペコペコと頭を下げる柚留の横で、あたしはお母さんに忠告をする。
「今日柚留に勉強教わるから! お茶菓子とジュース自分で持ってくから、部屋には入ってこないでね! 集中切れたら大変!」
「勉強? 珍しいじゃない。まりね、あんたもしかして赤点でも取ったの?」
「違う違う。今度のテストは範囲が広めなの! んでちょっと難しめなの!」
あらあら、まりねがテスト勉強だなんて……と嬉しそうに呟く母親をしり目に、柚留の手を引いて二階へと向かう。