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あい、見えます。
第9章 あい、見えます。
「やっぱり、怖いですか?」
顔を逸らしてしまったせいか、佐々木の声は気遣うように優しい。
けれど、その左手は、自分の脚の間を、ゆっくりと上下に動き、濡れた場所を確かめるように何かを探っている。
微かに震えながら頷けば、胸に添えていた手を掬い上げられて、その手の甲にキスをされた。
「……ぁ」
「大丈夫」
こんな時でも、佐々木の声は凪いだ海のような穏やかさがあった。
胸の奥が、トクンと揺れる。
今夜、何度目かの温かい気持ちに、不思議と恐怖が薄らぐ。
「力を抜いて。ゆっくり、息を吐いて下さい」
遥の手を離した佐々木は、足の間に座り直すと濡れたままの左手を右の内腿に置いた。
(息を……)
言われるがまま、深く息を吐くと、まだ濡れているその場所に、別の指が触れた。
「……ぁ」
さっきと同じように、濡れた中心に添えられた右手は、少し深く入り込もうと、力が篭っている。
指先に、自分の身体の入り口を探られ、無意識に腰が逃げかけると、その上辺りに甘い刺激が走って、思わず力が抜けた。
「ぁッ……、ん、ぁ」
茂みの中の、熱いそこに、再び濡れた舌が絡みついた。
唇で吸われて、舌先で擦られる度に、腰の奥が熱くなって、快感の水位が上がる。
そのタイミングを見計らうように、不意にぬるりと押し入った指の感覚に、唇が大きく開いた。
「はっ……、ぁ」
強く息を吸って身体が緊張しかけるのを、佐々木の舌先が緩めてくる。
「ふ……んぅ……」
脱力したタイミングで徐々に潜り込む佐々木の指先に、初めて覚える圧迫感と奇妙な熱が腰に生まれていく。
「痛く、ないですか?」
「あっ、…ん、……ぁ」
指よりも、そこに唇を当てたまま喋られたことへの甘い刺激が強くて。
何度か頷くと、安堵の溜息が聞こえた。
けれど、その吐息さえ、普段ふれない場所を擽っていると思うと、また身体が熱くなる。