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忘れられる、キスを
第53章 ふたりぐらし
「あっ…ああ…」
「まだちょっと触ってるだけなのに」

甘い囁きも、もどかしい指先の動きも、何度も達して敏感になり過ぎている今の私には十分すぎる刺激だ。
お尻をただ撫でられるだけで、また達してしまいそうだ。

「絵津子さん、お尻、ぴくぴくしてる…かわい…」

見られている、恥ずかしい、でも、欲しい。
次に何をされるのか分からない不安と、その先にある快感への期待とで身体が震える。
それでもまだ不安が優って、枕にぎゅっと、顔を押し付けた。

「力抜いて」

声と同時に、指が身体の中へと入ってくる。
ゆっくり、でも確実に私の身体を開いてくる。

「入るよ」

仰向けで受け止める時よりも深く、身体の中心を突かれるようだ。
甘痒い、痛みともつかない感覚が私の中を支配する。

「痛くない?」
「ん……」

私の答えに安心したのか、星くんが上から覆い被さって来た。
背中から熱い体温が伝わる。

「絵津子さんのナカ、あったかい…」

星くんはそう言って、お腹の方へと手を回した。
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